ブログの日本語学習の効用の研究1
先日の学会でお会いした方を通して、大学院でブログの日本語学習の効用を研究のテーマにされている方と知り合いました。仮に,Aさんということにしておきましょう。
Aさんは、実際に韓国でデータ収集を行う予定だそうです。
なぜ韓国か?というと以下の点からそうしたそうです。
また、Aさんはソウルで教えていた経験があり、好都合だったということもあるそうです。
1.確かに海外のほうが日本語(日本文化)日本語使用者との接触場面に対する欲求が強いでしょうね。
結構日本にいる留学生でもあまり日本人の友達はいないという人もいたりしてと思うんですが、その実態は個人差が大きいでしょうか。現実の世界では会える人は限られているし、同じ趣味・興味・関心などを軸にした知り合いのつながりはブログの世界でこそ花開くような気がします。
でも、前回の日本語教育国際大会の予稿集にあった報告(高、村岡(2004))によるとで、韓国ではオンラインの日本語学習サークルというのでしょうか、それがとても活発だそうです。同じように、在韓国の日本語学習者同士でブログを読みあうのに積極的に参加してくれそうですね。
ちなみに、その報告では問題点として、「専門の知識を持つ教師が不在な場合が多いこと」を挙げている。そのせいで、「調整において適切な対応ができないまま留意や評価の段階で習得プロセスが終わってしまうこと」(高、村岡 2004:25)を指摘しています。
高 民定、村岡 英裕(2004)「学習の新しい芽生えの一つ -韓国のインターネット・サークルの場合-」 日本語教育国際研究大会予稿集 p21-27
2.ブログトラッキングサービスを提供している米国Technorati社の統計上では、韓国語のブログ記事は実際より低くしか出されていないものの、ある調査では
韓国でのインターネット上のコミュニケーション活動、ブログが盛んであることは間違いないと思われます。
さて、そんなAさんから質問を頂きました。
さて、まず
1.ブログを書くこと自体に抵抗感を感じる学生はいませんでしたか。
ですが、やはり積極的に参加する学生もいる一方で、1割ぐらいは最低限にしかしない学生もいました。この間も学会の時に、別の学校の先生と話していたときに、この話になりました。そこではオンラインの掲示板(要ログイン、非公開)でのディスカッション参加義務があるコースがあるそうなんですが、そこでも、すごく生き生きとがんばって参加する人もいる一方で、本当に最低限しかやらない人がいるのはなんでかねーという話になっていました。
掲示板よりもブログのほうが、一人一人別サイトになっているので、記事を書いていないとより明らかにわかるんじゃないかと思います。でもやっぱりあまりやらない人もいるわけで、その辺をどうするか難しいと思います。特に私の春学期のクラスでは、あまりテーマを指定せず、できるだけ自由に書かせるようにしたもののそれが返ってもともとあまり積極的じゃない人には、なまける余地を与えてしまったのかもしれないと思いました。
秋学期には、ある程度課題を明確にし、期限を提示したことで、学習者にお互いのを読ませて、コメントを書かせあうのも足並みがそれっているからやりやすかったですね。春学期のように、1週間に一回ぐらい書いてくださいというだけでは大まか過ぎて、ばらばらに進行してしまい、まとまりがなくなってしまったと思います。
2.ブログを始める前に、学生に対してブログの有効性などについて説明はしましたか。
3.その場合、どのようにしたか。
4.ブログには、日本語母語話者も現れてコメントを残す場合もありましたか。
ブログの有効性としては、極簡単に説明しました。一つは、本当の読者を得られること。
普段の授業で「作文」があった場合、書いたものを読むのは教師だけであることが少なくありません。それでは、学習者ははりあいもないし、ちゃんとわかるように書かなくても済んでしまうという可能性があります。日本語教師は、ネイティブじゃない日本語使用者の日本語に慣れているので、つたなくても理解してしまうことが多いわけです。ところが、学習者同士が読む場合は、お互い書く能力も読んで理解する能力も限られているので、よりわかるように書かなければいけません。
さらにクラスメイトだけではなくて、普通の「本当の」日本人にも読んでもらえるということですよね。そのためには、教師が自分でもブログをしてそこで宣伝するということをしました。あり難いことにかなりたくさんの方が読んでくださいました。
クラスメイトにしても、普通の日本人にしても、教師のように成績をつけるために読むのではなく、内容を取るために読むのでそれも普段とは違うことですね。
もう一つの有効性は、上のことと重なりますが、クラスの外につながるって事ですね。教室ってのはどうしても守られた環境ですが、実際の日本語社会とつながって、そこでどう自分の存在を確立していくかってことです。でもそこまでは学習者には話しませんでした。ただ、教師である自分が「日本ではこうです。と日本の習慣や日本人の考え方について説明することがあっても、それは自分一人の考えでしかないから、他の『普通の』『本当の』日本人が書いたブログの記事を読んで、そこから学び取っていくようにしてください」というようなことを説明しました。
さて、日本語母語話者が来てくれて、コメントを残してくれたあとの問題と「5.コース終了後もブログを書き続けている学生はどのぐらいいますか。」は関連がありますが、そのことについては長くなったので、別の記事にします。
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Aさんは、実際に韓国でデータ収集を行う予定だそうです。
なぜ韓国か?というと以下の点からそうしたそうです。
1.国内より海外のほうが学習者の接触場面に対する欲求が高いだろうから
2.インターネットの普及が速くブログやチャット等に慣れている学習者が多いから
また、Aさんはソウルで教えていた経験があり、好都合だったということもあるそうです。
1.確かに海外のほうが日本語(日本文化)日本語使用者との接触場面に対する欲求が強いでしょうね。
結構日本にいる留学生でもあまり日本人の友達はいないという人もいたりしてと思うんですが、その実態は個人差が大きいでしょうか。現実の世界では会える人は限られているし、同じ趣味・興味・関心などを軸にした知り合いのつながりはブログの世界でこそ花開くような気がします。
でも、前回の日本語教育国際大会の予稿集にあった報告(高、村岡(2004))によるとで、韓国ではオンラインの日本語学習サークルというのでしょうか、それがとても活発だそうです。同じように、在韓国の日本語学習者同士でブログを読みあうのに積極的に参加してくれそうですね。
ちなみに、その報告では問題点として、「専門の知識を持つ教師が不在な場合が多いこと」を挙げている。そのせいで、「調整において適切な対応ができないまま留意や評価の段階で習得プロセスが終わってしまうこと」(高、村岡 2004:25)を指摘しています。
高 民定、村岡 英裕(2004)「学習の新しい芽生えの一つ -韓国のインターネット・サークルの場合-」 日本語教育国際研究大会予稿集 p21-27
2.ブログトラッキングサービスを提供している米国Technorati社の統計上では、韓国語のブログ記事は実際より低くしか出されていないものの、ある調査では
韓国でのインターネット上のコミュニケーション活動、ブログが盛んであることは間違いないと思われます。
さて、そんなAさんから質問を頂きました。
1.ブログを書くこと自体に抵抗感を感じる学生はいませんでしたか。これらの点についていは、実際にブログを日本語の授業に取り入れていた佐藤さんやスズキさん、IT教育専門のyukkiさんだけでなく、幅広くいろいろな人からも声を聞きたいところです。
2.ブログを始める前に、学生に対してブログの有効性などについて説明はしましたか。
3.その場合、どのようにしたか。
4.ブログには、日本語母語話者も現れてコメントを残す場合もありましたか。
5.コース終了後もブログを書き続けている学生はどのぐらいいますか。
さて、まず
1.ブログを書くこと自体に抵抗感を感じる学生はいませんでしたか。
ですが、やはり積極的に参加する学生もいる一方で、1割ぐらいは最低限にしかしない学生もいました。この間も学会の時に、別の学校の先生と話していたときに、この話になりました。そこではオンラインの掲示板(要ログイン、非公開)でのディスカッション参加義務があるコースがあるそうなんですが、そこでも、すごく生き生きとがんばって参加する人もいる一方で、本当に最低限しかやらない人がいるのはなんでかねーという話になっていました。
掲示板よりもブログのほうが、一人一人別サイトになっているので、記事を書いていないとより明らかにわかるんじゃないかと思います。でもやっぱりあまりやらない人もいるわけで、その辺をどうするか難しいと思います。特に私の春学期のクラスでは、あまりテーマを指定せず、できるだけ自由に書かせるようにしたもののそれが返ってもともとあまり積極的じゃない人には、なまける余地を与えてしまったのかもしれないと思いました。
秋学期には、ある程度課題を明確にし、期限を提示したことで、学習者にお互いのを読ませて、コメントを書かせあうのも足並みがそれっているからやりやすかったですね。春学期のように、1週間に一回ぐらい書いてくださいというだけでは大まか過ぎて、ばらばらに進行してしまい、まとまりがなくなってしまったと思います。
2.ブログを始める前に、学生に対してブログの有効性などについて説明はしましたか。
3.その場合、どのようにしたか。
4.ブログには、日本語母語話者も現れてコメントを残す場合もありましたか。
ブログの有効性としては、極簡単に説明しました。一つは、本当の読者を得られること。
普段の授業で「作文」があった場合、書いたものを読むのは教師だけであることが少なくありません。それでは、学習者ははりあいもないし、ちゃんとわかるように書かなくても済んでしまうという可能性があります。日本語教師は、ネイティブじゃない日本語使用者の日本語に慣れているので、つたなくても理解してしまうことが多いわけです。ところが、学習者同士が読む場合は、お互い書く能力も読んで理解する能力も限られているので、よりわかるように書かなければいけません。
さらにクラスメイトだけではなくて、普通の「本当の」日本人にも読んでもらえるということですよね。そのためには、教師が自分でもブログをしてそこで宣伝するということをしました。あり難いことにかなりたくさんの方が読んでくださいました。
クラスメイトにしても、普通の日本人にしても、教師のように成績をつけるために読むのではなく、内容を取るために読むのでそれも普段とは違うことですね。
もう一つの有効性は、上のことと重なりますが、クラスの外につながるって事ですね。教室ってのはどうしても守られた環境ですが、実際の日本語社会とつながって、そこでどう自分の存在を確立していくかってことです。でもそこまでは学習者には話しませんでした。ただ、教師である自分が「日本ではこうです。と日本の習慣や日本人の考え方について説明することがあっても、それは自分一人の考えでしかないから、他の『普通の』『本当の』日本人が書いたブログの記事を読んで、そこから学び取っていくようにしてください」というようなことを説明しました。
さて、日本語母語話者が来てくれて、コメントを残してくれたあとの問題と「5.コース終了後もブログを書き続けている学生はどのぐらいいますか。」は関連がありますが、そのことについては長くなったので、別の記事にします。
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この記事へのコメント
1クラス(2セクション)に60人もいるんです。ライティングのクラスということもあって、課題として与える作文だけじゃなく、気楽に深く考えすぎずにドンドンと書くような課題としてブログも書かせてみたいんですけど、それだけの人数のブログに目を通してコメントをしてあげられるかかなり不安です。もう1つのクラス(初級日本語)も同じ人数いるんで、どれだけ時間が取れるか心配してます。
必ずしも先生がコメントする必要はないのかもしれないんですけど、個人的に先生からちゃんとコメントを残してもらえると、励みになると思っているんで。
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効用っていうのはいつも考えてしまいます。何か効用をはかるとき、どんなにコントロールしてもほかの要素が絶対入ってきてしまいますよね、、因果関係を証明するのは非常に難しいと思います。それも2-3ヶ月で効用というのも、、、学習者とじっくり向き合って、彼らがどう感じているのかをはなせたらとも思っているのですが、教師と言う立場が邪魔になる事もありますよね、、、難しいです。
新車はどうですか?ってまだ納車じゃないですかね。
一クラスに60人ってすごいですね。気が遠くなりそうです。TAが着いたりはしないのでしょうか。ESLですけど、(http://www.iwillnow.org/IWiLL/)というのが台湾であって、面白そうでした。どんどん書かせたいですね。教師がコメントするより、学習者同士でコメントするようにしたほうがいいかもしれませんね。それに、UWの長谷川さんの掲示板の研究でもそうだったかと思いますが、逆に教師の方が影が薄くなるというか、教師の発言に必ずしもみんなが答えるわけではないというような現象が私の時もありました。
それにしても多いなー。それはもうランダムに読ませると偏りが激しくなるかなぁ。クラスの中でさらにグループ分けして、その中では必ず読みあうようにして、時々、それぞれのグループで面白いところを授業中に紹介したりして、他のグループにも見に行くように言ってみるのもいいかもしれませんね。確かに教師読んでいることが伝わったほうがいいでしょうね、そのためにもコメントを書かなくても、教室であったときに読んでいることが伝わるようなことをちょろっと言ってみるとかそんなんでもいいかもしれませんね。
すみません。「効用」という言葉を使ったのは私です。ちょっと印象が強すぎたかもしれませんが、Aさんは「因果関係を証明」しようと思っていらっしゃるわけではないかもしれません。「ブログを日本語学習に活かす」ということだと思われます。
1つのクラスが2セクションなんで、学生数としては1コマに30人ずつになるんですけど、結局読む量としては教師の私は何ら変わらないんで。
TAは付くそうです。じゃないと、初級のクラスとライティングのクラス両方の採点をやってられません、、、。
確かに、一度始めてしまえば、こっちが心配するほど、教師側のコメントに注意しているということもないかもしれませんね。まだ迷ってますが、何かいい方法を考えてみます。グループ分け案、いい方法ですよね。
TA、そりゃそうですよね。いやーそれでも、30人の作文指導ってやっぱり気が遠くなるなぁ。しかもなんていうか、みんな見た目が同じバックグラウンドなわけで、混乱しそう。っていう自分も日本で日本人に教えてたらそうなんでしょうけどね。でもその後、どうなるか気になるのでまたときどきそちらのブログにも伺いますね。
二年生前半でも問題なく始められますね。みんなするようになったらほんとに面白いと思います。クラスを超えて、学校を超えての協働学習につながる可能性がありますよね。・「有効性」ってのは言葉はある意味Loaded wordなので、この場合あまり使わないほうがいいのかもしれませんね。なんらかの好ましい変化があればそれで効果といえますね。