アメリカの外国語教育の基準:5C その5 Connection 外国語と他教科との関連+
かなり、間が開いていますが、全米外国語教育協会(ACTFL:American Council on the Teaching of Foreign Languages)が策定した
外国語教育の基準(Standards For Foreign Language Learning Preparing for the 21st Century)とブログとの関係について考えています。
基準は大きく、5つあります。
1 Communication,コミュニケーション
2 Cultures , 文化
3 Connections, コネクション、関連づけ
4 Comparisons 比較
5 Communities, コミュニティ
これまで、
その1 5C
その2どうして外国語を学ぶのか
その3Coomunication
その4 Cultures 文化
と取り上げてきました。
今回はその5、5Cの3番目 Connections、関連付けについてです。
Connections: Connect with Other Disciplines and Acquire Information
コネクション、関連付け 他の分野の課目と外国語を関連付け、情報を得る。
この中にさらに二つのことが含まれます。
Standard 3.1: Students reinforce and further their knowledge of other
disciplines through the foreign language.
学習者は外国語を通して他の分野の知識を深め、強化する。
Standard 3.2: Students acquire information and recognize the distinctive viewpoints
that are only available through the foreign languages and its cultures.
学習者は外国語とその文化を通してのみ得ることができる
視点・見解を認識したり、情報を得たりする。
その昔、というか今も一部の、旧来のアメリカの大学の外国語教育はこんな感じです。
まず一年半か2年とかで初級文法を勉強します。
それから何を勉強するかというと「文学」です。
それは、例えばフランス語の上級のクラスの先生は
フランス文学の研究者であったりしたからです。
初級文法 → 文学 という流れは、教える側からすれば自然であったわけです。
先生は専門にしているぐらいだから、文学が好きなわけです。
学生にも文学が好きになることを求めるようなところがあるといえます。
しかもその大学で、専攻としてフランス語・フランス文学があればなおさらです。
昔からある、プログラムほどその傾向が強いかもしれません。
しかし、フランス語を取る学生はみんながフランス文学を研究したいわけではありません。
フランスに旅行に行きたいとか、フランス人の友達がいるからフランス語で
話したいとか、フランス映画が好きだとか、必修で外国語とらなくちゃいけないけど
英語と一番似ていて楽そうだから、などいろいろです。
80年代後半から、文章を書くことを英語のクラスのためでなく、
ほかの教科にも応用できるようにしようという「教科を超えた作文力」とでも
訳すのでしょうかWriting Across the Curriculumという動きがあったようです。
これと平行して、外国語を勉強したら、そのままその文学にだけ結びつけるのではなく、
ランボーが読めても、買い物もできなくてはいけないから
時にはもっと実用的に(卒業した後も使えるように)
かつ他の教科と関連付けることで、外国語教育とその他の教科に相互に
利益があるようにしていきましょうということで「教科を越えた語学学習」
(Language Across the Curriculum:LAC)が叫ばれるようになりました。
これには、コンテント中心の外国語学習(Content-Based Instruction: CBI )とも
関連があります。CBIは外国語を外国語として教えるのではなく、
外国語を伝達手段として内容を教えるようにしようという動きです。
よく出てくる例はカナダのイマージョン教育で、英語圏の学校で
フランス語を教えるのに、フランス語で算数や体育の授業をすることです。
日本語教育でも、2005年のATJの学会でも 日本語教育におけるコンテントベース授業の試み (Developing Japanese Content-based Instruction at U.S. Universities: New Models and Methods)というパネルがあって、この3本の発表がありました。
Yoshiko Jo, Swarthmore College:コンテント・ベース授業:初中級レベルにおけるダイアログジャーナル (Content-based Instruction Using Dialogue Journals at Elementary and Intermediate Levels)
Yoshiko Mori, Georgetown University: 新聞を使ったコンテント・ベースの上級言語学習 (Content-based Instruction Using Newspapers)
Nobuko Chikamatsu, DePaul University: コンテント・コミュニティー・ベース授業の試み:上級コース「シカゴ日系人史」(Content- and Community-based Instruction; Japanese American History in Chicago)
さらに、コネクション・関連付けは構成主義と訳されるconstructivismとも関係があります。
簡単に言うと、
「人は新しいことを学習するときに、
自分がもっている知識と関連付けて・意味づけを行って習う」
ということですが、これについては別に記事を書こうと思います。
さて、ブログとこの5Cの3番目「コネクション・関連付け」について考えます。
3.1 学習者は外国語を通して他の分野の知識を深め、強化する。
3.2 学習者は外国語とその文化を通してのみ得ることができる
視点・見解を認識したり、情報を得たりする。
この二つは重なっているところがあるので一緒に扱います。
日本語を勉強しているアメリカの大学生は、まず日本に
興味をもっているはずなので、日本語だけでなく、
日本の歴史、政治、文学、文化などのコースも取ることが多いです。
日本語でブログをすることで、オンライン上の日本語の世界を
訪れることになりますが、そうするとそれらの情報にも当然ふれることになるでしょう。
「日本文化についてこんな記事を書いたら、こんなコメントがあった」
「日本政治の授業で話題になった靖国問題についてこんな記事があった」
などいくらでもほかの授業へとつながっていく
可能性のある材料があふれていると言えます。
これらは、しばしば個人レベルの発言で、
そのままの形では英語のメディアに載ることなど
ありません。
まさに日本語を通してのみ触れることが
できるリソースと言えます。
というわけで3番目のC、コネクションについても
ブログは外国語学習に力を発揮する可能性をもっていると
思われます。
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外国語教育の基準(Standards For Foreign Language Learning Preparing for the 21st Century)とブログとの関係について考えています。
基準は大きく、5つあります。
1 Communication,コミュニケーション
2 Cultures , 文化
3 Connections, コネクション、関連づけ
4 Comparisons 比較
5 Communities, コミュニティ
これまで、
その1 5C
その2どうして外国語を学ぶのか
その3Coomunication
その4 Cultures 文化
と取り上げてきました。
今回はその5、5Cの3番目 Connections、関連付けについてです。
Connections: Connect with Other Disciplines and Acquire Information
コネクション、関連付け 他の分野の課目と外国語を関連付け、情報を得る。
この中にさらに二つのことが含まれます。
Standard 3.1: Students reinforce and further their knowledge of other
disciplines through the foreign language.
学習者は外国語を通して他の分野の知識を深め、強化する。
Standard 3.2: Students acquire information and recognize the distinctive viewpoints
that are only available through the foreign languages and its cultures.
学習者は外国語とその文化を通してのみ得ることができる
視点・見解を認識したり、情報を得たりする。
その昔、というか今も一部の、旧来のアメリカの大学の外国語教育はこんな感じです。
まず一年半か2年とかで初級文法を勉強します。
それから何を勉強するかというと「文学」です。
それは、例えばフランス語の上級のクラスの先生は
フランス文学の研究者であったりしたからです。
初級文法 → 文学 という流れは、教える側からすれば自然であったわけです。
先生は専門にしているぐらいだから、文学が好きなわけです。
学生にも文学が好きになることを求めるようなところがあるといえます。
しかもその大学で、専攻としてフランス語・フランス文学があればなおさらです。
昔からある、プログラムほどその傾向が強いかもしれません。
しかし、フランス語を取る学生はみんながフランス文学を研究したいわけではありません。
フランスに旅行に行きたいとか、フランス人の友達がいるからフランス語で
話したいとか、フランス映画が好きだとか、必修で外国語とらなくちゃいけないけど
英語と一番似ていて楽そうだから、などいろいろです。
80年代後半から、文章を書くことを英語のクラスのためでなく、
ほかの教科にも応用できるようにしようという「教科を超えた作文力」とでも
訳すのでしょうかWriting Across the Curriculumという動きがあったようです。
これと平行して、外国語を勉強したら、そのままその文学にだけ結びつけるのではなく、
ランボーが読めても、買い物もできなくてはいけないから
時にはもっと実用的に(卒業した後も使えるように)
かつ他の教科と関連付けることで、外国語教育とその他の教科に相互に
利益があるようにしていきましょうということで「教科を越えた語学学習」
(Language Across the Curriculum:LAC)が叫ばれるようになりました。
これには、コンテント中心の外国語学習(Content-Based Instruction: CBI )とも
関連があります。CBIは外国語を外国語として教えるのではなく、
外国語を伝達手段として内容を教えるようにしようという動きです。
よく出てくる例はカナダのイマージョン教育で、英語圏の学校で
フランス語を教えるのに、フランス語で算数や体育の授業をすることです。
日本語教育でも、2005年のATJの学会でも 日本語教育におけるコンテントベース授業の試み (Developing Japanese Content-based Instruction at U.S. Universities: New Models and Methods)というパネルがあって、この3本の発表がありました。
Yoshiko Jo, Swarthmore College:コンテント・ベース授業:初中級レベルにおけるダイアログジャーナル (Content-based Instruction Using Dialogue Journals at Elementary and Intermediate Levels)
Yoshiko Mori, Georgetown University: 新聞を使ったコンテント・ベースの上級言語学習 (Content-based Instruction Using Newspapers)
Nobuko Chikamatsu, DePaul University: コンテント・コミュニティー・ベース授業の試み:上級コース「シカゴ日系人史」(Content- and Community-based Instruction; Japanese American History in Chicago)
さらに、コネクション・関連付けは構成主義と訳されるconstructivismとも関係があります。
簡単に言うと、
「人は新しいことを学習するときに、
自分がもっている知識と関連付けて・意味づけを行って習う」
ということですが、これについては別に記事を書こうと思います。
さて、ブログとこの5Cの3番目「コネクション・関連付け」について考えます。
3.1 学習者は外国語を通して他の分野の知識を深め、強化する。
3.2 学習者は外国語とその文化を通してのみ得ることができる
視点・見解を認識したり、情報を得たりする。
この二つは重なっているところがあるので一緒に扱います。
日本語を勉強しているアメリカの大学生は、まず日本に
興味をもっているはずなので、日本語だけでなく、
日本の歴史、政治、文学、文化などのコースも取ることが多いです。
日本語でブログをすることで、オンライン上の日本語の世界を
訪れることになりますが、そうするとそれらの情報にも当然ふれることになるでしょう。
「日本文化についてこんな記事を書いたら、こんなコメントがあった」
「日本政治の授業で話題になった靖国問題についてこんな記事があった」
などいくらでもほかの授業へとつながっていく
可能性のある材料があふれていると言えます。
これらは、しばしば個人レベルの発言で、
そのままの形では英語のメディアに載ることなど
ありません。
まさに日本語を通してのみ触れることが
できるリソースと言えます。
というわけで3番目のC、コネクションについても
ブログは外国語学習に力を発揮する可能性をもっていると
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