石原知事「フランス語は数が数えられないので、国際語の資格なし」で訴えられたというニュース

石原都知事が失言のため訴えられたそうです。

「フランス語は数を勘定できず、国際語として失格」としたうえ
「(フランス語に)しがみついている手合いが
(首都大学東京開校に)反対している。笑止千万だ」と発言したそうです。

これに対して、「クラス・ド・フランセ」(東京都港区)のマリック・ベルカンヌ校長と、
その呼びかけに応じたフランス語研究者や通訳ら計21人が、
石原知事に計1050万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める
訴訟を東京地裁に起こしたそうです。

首都大学東京でフランス文学を含む文系の教員を
減らそうとしているんだと思われますが、
ほとんど飲み屋の酔っ払い並の発言ですね。

本当に飲み屋でだったらかまいませんが、
立場上不適切でしょう。

確かにフランス語の数の数え方は10進法の日本語と少し違います。
60の次は70(60+10)、80(4×20)、90(4×20+10)となるそうです。
しかし、きっと70と言うときに(60+10)と分析して
言ってはいないと思います。

「ありがとう」というのに、「なかなかありえないことです」とは思ってないでしょう。
これは、算数・数学の問題ではなくて、語彙の問題だと思います。

そもそもフランス人はもちろん数が数えられるだけでなく、
数学ができる人もいます。

フィールズ賞(ノーベル賞に数学がないので作られた賞)に
フランス人も入っているし、メートル法を作ったのはフランスってのも
習いました。

この「フランス語の数え方が日本語と違うから変だ」という発想は
日本語を中心にしか考えられない限界を示しているのではないでしょうか。

鈴木孝夫が「ことばと文化」(1973:岩波新書C98)の中で

 人は自分の文化を通してしか、異文化を見ることができない。
 語学を勉強して使えるようになるよりも、ことばというものが、
 世界をいかに違った角度、方法で切りとるものかというような問題を
 理解するようになることの方が遥かに意義がある


というようなことを言っていたのが思い出されます。

外国語が母語の人から見れば、日本語も十分「変」です。
複数形が実質ない分、助数詞(枚、本、冊、個、人)を習わなくてはいけないし、
発音も(いっん、にん、さんん)と変化したりしなかったりします。

漢語系いち、に、さんがあるかと思えば、ひ、ふ、みもあり、
ものによって「ひとり、ふたり、さんにん」になったり
「ひとつ、ふたつ、みっつ」になったりします。

日付も「ついたち、ふつか、みっか、よっか、、、、、じゅういちにち、、、、じゅうよっか、はつか、、、」
と手ごわいです。

時刻もばかになりません。
「いちじ、にじ、さんじ、よじ(よんじではない。しじでもない)、、、くじ(きゅうじではない)」
(そして、「時」だけでなく、「分」もあります)

結構大変です。

毎回この数詞のところは教えていて、
「あー、日本語が母語でよかった。」という感謝の気持ちと
「自分が外国語として、勉強したらマスターできるだろうか」
という疑問が湧いてきます。

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この記事へのコメント

2005年07月20日 08:05
ただの作家の一言ならまだ「言論の自由」と言えるかもしれないですけど、都知事となると問題が大きくなりますよね。でも、石原都知事の発言があって、初めて世界の数に関する感覚の違いを知りました。
ヒロシさんのおっしゃるように、日本語も他の母国語の人から見たら難しい数え方ですよね。今、私の娘が数に興味を示しているのですが「4=し」か「4=よん」か、考えてしまいました。慣れればどちらでもいいと思うのですが。
2005年07月20日 10:51
そうですよね。でも、この石原発言によってほかの言葉の数え方、みんな結構いろいろあってそれぞれにユニークだというのが分かってよかったかなぁと思っています。娘さんの疑問はもっともですよね。実は私も日本語を教えだすまで、「し」というのがもともと中国語で、「よん」は古くからのやまと言葉だというのを知りませんでした。数というかなり土着というか根っこな部分に「外来語」である中国語が根深く入り込んでいるというのはショックでした。まあ実際ある研究によると日本語の語彙の60%は漢語系というのがあるくらいなのですが。。。

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