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zoom RSS 米大統領選挙での「投影人種差別」Projected racism

<<   作成日時 : 2007/02/01 19:33   >>

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来年の大統領選挙が今から結構話題です。共和党はジュリアーニ元NY市長やパタキ元NY州知事も出るらしいし、民主党はヒラリーが出るし。ヒラリーになったら初の女性大統領ですが、もう一人、初になるかもしれないのはオバマ上院議員です。父親が黒人、母親が白人だそうですが、当選したら黒人として初の大統領ということになります。大学は私の勤務校だったということもあって関心があります。

さて、昨日の新聞(AmNewYork)でジョーダン・シュナイダー(Jordan Schneider)のThe smearing of Obamaという記事を読みました。その中で、オバマに対する人種差別的攻撃が既に始まっていることについて書いています。

たとえば、オバマのミドルネームがフセインであることについてです。フセインはこの間なくなったイラクの元独裁者と同じ名前ですが、オバマの父親がケニア生まれのイスラム教徒であったとこからつけたイスラム系の名前のようです。オバマ本人は今はキリスト教徒らしいです。

それから、オバマというのがオサマビンラディンのオサマと韻を踏んでいること。これははっきり言っていいがかりというか関係ないですね。オバマってのはそのケニアの言葉の(何語かわかりませんが、、、汗)名前なわけだし。たまたま開音節(音節が母音で終わる)の言語だったばっかりに似てしまっただけです。開音節といえば、日本語だってそうなんですからね。

もう1つは、イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領と同じようなスーツを着ているということ。

これらのことによって、オバマをイスラム教と結びつけ、本来関係ないテロリストとの連想を強め、オバマを「危ない」候補者として引きずりおろそうとしている人がいるとシュナイダー氏は書いています。

人種差別者に「あなたは黒人に対して差別しますか」と聞けば、「いや、そんなことはない」と少なくとも公けの場では抑えてくるものの、「あなたはテロリストに対して差別しますか」と聞けばもちろん怒りをあらわにするだろう。それは、肌の色による差別がタブーとなっているのに対して、テロリストに対する怒り・差別等は社会的に認めらているからだと。

オバマに対して「彼は黒人だから彼には投票しない」と言えば人種差別になってしまいますが、「彼はイスラム教過激派と関係があるアブナイ候補者だから、投票しない」と言えば正当化されてしまいます。

イスラム教過激派という正々堂々と差別してもいいことになっているグループに対する人々の恐怖や敵対心をそのまま、黒人に向けることをシュナイダー氏はprojected racismと言う言葉を使って表現しています。パワーポイントの発表に使うプロジェクターと同じ意味で映す、投影するということですね。

そして、シュナイダー氏はこういった噂は中間層に対する影響が大きいと言っています。なんとなくもともと黒人に投票したくなかった人が「この候補者は危険だ」と言われると「安心して、大手を振って」他の人に投票できるからです。そうしても「人種差別だ」と言われる心配がないからですね。

ここに読者のコメントが載っていました。三つあったコメントのうち、一人はオバマに好意的でしたが、一人はオバマの経験不足を理由に候補者として認めないといい(それはそうなのかもしれませんが、よくわかりません。。。汗)、別の一人は「オバマがイスラム教と関係があったら絶対投票しない」とか言っている人がいて、「やっぱりそんな単純にイメージ操作に乗せられる人がいるんだ」とすごく皮肉に思いました。

この投影人種差別ってのは別に新しいことじゃないのかもしれませんけどね。
とにかく今後が気になります。

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コメント(4件)

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オバマ上院議員について、最近こちらでも取上げられるようになりました。「ヒラリーさんよりも大統領に近い候補」とも報道されていましたよ。

でも、マイノリティー候補に対する批判も、肌の色とか、ネーミングとか、根拠もないイメージによるものなら、ホント、馬鹿馬鹿しい・・・と思ってしまいますね。
それと、前から気になる表現ですが、「黒人・白人」という言い方です。一見して、「どっちなのか?」解らないくらいの人も多いですよねー。
せめて「〇〇系アメリカ人」という表現にマスコミから変えていくべきだと思いますが。
KISHIKO
2007/02/05 13:03
Kishikoさん、
ほとに一見してどっちなのかわからない人がたくさんいますね。ちょっと政治とは関係ないですが、ファッション関係の広告でもわざと黒人のようでもあり、ヒスパニックのようでもあり、白人のようでもあるような不思議なモデルを使っているのがよくあります。DNA上半分は「白人」なはずのオバマが「黒人」てのは「白人」は100%白人じゃなきゃ白人とは言わないのかってことになりますよね。「〇〇系」もソースが二つ以上になると、どう書いたらわからないし、なかなか難しいですね。
ヒロシ
2007/02/06 18:47
イスラム教徒に対する偏見が巧みに利用されるって、嫌ですね。projected racismって言葉は初めて聞きました。

オバマ上院議員は「私はアフリカ系の大統領候補ではなく米国の大統領候補です」「イラク戦争を支持した人々も支持しなかった人々も共に愛国者なのです」という演説をしていますが(日本のテレビでちらっと見ました)、みんな「愛国者」だというのはどうかなぁ。

米国では「愛国者」であることが主義主張に優先する伝統があるので、こういう言い方で支持を広げようとするのはわからんでもないけど。
asianimprov
2007/02/07 21:19
>asianimprovさん
projected racismはこの記事を書いた人の造語ですね。これから使われるようになるかはまた別の話しですが、なかなかうまいこと言っているのではないかと思いました。

「愛国者」ってのはまさにアメリカで、アメリカ人として生きる上ではアイデンティティーのよりどころにしなくちゃいけないんでしょうね。そして、彼の場合、それを普通の白人の候補者よりも多めにしないといけないという事情もあると思います。あるていどメインストリームの白人男性の場合何もしなくても自動的についてくるものがない分、同じ土台に立つために底上げとして愛国者を前面に押し出すことが自然と必要なんじゃないかと思います。

日本の場合とは全然違いますね。
ヒロシ
2007/02/09 04:50

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