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zoom RSS 敬語の5分類化

<<   作成日時 : 2006/10/03 23:23   >>

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これまで国語教育での敬語の分類としては、これまで尊敬語、謙譲語、丁寧語の三種類の分類がよく使われてきました。最近これに2種類加えて5種類にすることを文化審議会国語分科会の敬語小委員会が提案したとメーリングリスト(JTIT)への渡邊先生の投稿で知りました。

正確には、謙譲語をこれまでの謙譲語と丁重語の二つに分けて、新しく美化語を加えるということらしいです。

これにより、以下の5種類になります。
1.尊敬語(これまでどおり)
例:(行為(動詞))いらっしゃる、おっしゃる、なさる、召し上がる、お(ご)〜になる、〜(ら)れる
  (ものごと(名詞))お名前、ご住所、お出かけ、ご利用
             (立てるべき方からの)お手紙、ご説明
  (状態等(形容詞))お忙しい、ご立派

2.謙譲語(伺う型:丁重語と分離)
相手側または第三者に向かう行為・物事について、その向かう先の人物をたてて言う
例:(行為(動詞))伺う、申し上げる、お目にかかる、差し上げる、お(ご)〜する
  (ものごと(名詞)) (立てるべき方への)お手紙、ご説明

3.丁重語(参る型:謙譲語から分離)
自分側の行為、物事など、話や文章の相手に対して、丁重に述べる。
例:(行為(動詞))参る、申す、いたす、おる
  (ものごと(名詞))弊社、拙著

4.丁寧語(これまでどおり)
例:です・ます、(で)ございます

5.美化語(新たに設置)
物事を美化して述べるもの
例:お酒 
(参考:お手紙(向かう相手への敬意を表す)、お名前(所有者への敬意を表す)は美化語とは違う。)

詳しくは文化庁の「文化審議会国語分科会敬語小委員会(第8回)議事次第」の
「資料2 第2章 敬語の仕組み(たたき台)(PDF形式(417KB))」をご覧ください。

日本語を教えるときにも、謙譲語に二種類あるというのはこれまでも教えてきました。
そうしないと、変なことを言い出します。

例えば、「これから図書館に伺います」とか「昨日プールでお泳ぎしました」などです。「自分の動作を表すときは謙譲語だよ」と教えてしまうと、その通りに、「話しかける相手と関係がなくても、自分の動作を表す」ときに謙譲語を使ってしまうことが起こりえます。この場合、謙譲語ではなく、丁重語(これから図書館に参ります)や丁寧語のみ(昨日プールで泳ぎました)を使うことしかできません。

ちなみに以前「 「ご苦労様」vs「お疲れ様 」 ねぎらい表現」で紹介した蒲谷・川口・坂本(1998)「敬語表現」大修館では、5つではなく11に分類しています。日本語母語話者でも、第二言語としての日本語学習者でも、この5つぐらいで機能的にも数的にもちょうどいいように思います。

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
私の大学でもそうですが、たいていは2年生で敬語を教えますよね。日本語の2年生と言えばOPIのスケールではまだまだ初級と中級の間をうろうろしているような状態なのに、どうしてこんな時期に敬語を入れるのかな…といつも疑問に感じています。敬語を聞いて分かることは必要なのかもしれませんが、このレベルの日本語話者に敬語を使うことを要求するのは無理がありますよね。中級の後半あたりのもっと日本語の能力があがった段階で教えた方がすっきりいくような気がするんですが、ヒロシさんはどう思われますか。
hanako
2006/10/04 04:32
敬語に対する認識は、年代によって違いますよね。
昔、娘が小さかったとき、私が娘に向かって、
「お菓子をあげる」
と言ったところ、私より人まわり上の世代の方から「言葉の使い方が間違っている!」と指摘を受け、正しいのは
「お菓子をやる」
と言われました。
「目上、目下の上下関係から言葉が決まる」と言われたのですが、内心納得がいきませんでした。
可愛い子どもや、可愛いペットにお菓子やら、物を与えるのに、「やる」は無いんじゃない?乱暴すぎる…と思ったのです。
そうかといって、その方は、玉子の事を、お上品のつもりか
「お玉子」
と言っておられました。
あーあ、言葉って、難しいですね
KISHIKO
2006/10/04 12:50
昨日だったかな?テレビでやってたような気がします。この話。
フリップが出てたのを見ました。瞬間的にですが。
「敬語」と聞くと頭が壊れそうなのでじっくり見ませんでした(笑)。
かなりかなり話は逸れますが、昨日「細木数子のズバリいうわよ」スペシャルで細木さんが「的を得る」と言ってたのがかなり気になりました。
「的を射る」と「当を得る」のコンタミネーションだそうですね。
敬語も難しいけど、ことわざや格言なども難しいですね。
みーこ
2006/10/04 14:47
>hanakoさん
確かに敬語は学習者には(母語話者にも)難しいし、OPIでも、敬語とともにくだけた話し方の二つの異なるスピーチレベルが使えるかどうかは超級まで見ないことになっていますね。しかし、だからといって遅くまで教えないほうがいいのかというとそうでもないように思います。おっしゃるとおり理解しなくてはいけないことはもちろん、現状では語彙レベルで置き換えを行ったりすることが中心でやりもらいなども含めて、どう丁寧さを表現するかということについてのが学習が不十分じゃないかと思っているのですが。。。。この辺はまた別に書こうかと思います。
ヒロシ
2006/10/05 12:46
>KISHIKOさん
「お玉子」は初耳ですね。
「やる・あげる」は1995年(平成7年)の文化庁国語世論調査で調べています。1.うちのこに おもちゃを かってやりたい・かってあげたい。2.木に水をやる・あげる。3.あいてチームには もう1点も やれない・あげられない。のみっつです。全体としては「やる」のほうが多かったのですが、このうちの子→植木→相手チームの順で「あげる」が多く使われていました。また地域差、性差もありました。
ヒロシ
URL
2006/10/05 20:06
>みーこさん
ことわざ、格言、慣用句はどんどん変わって行きやすいみたいですね。でも、勘違いしていって変わっていくプロセスは、それも面白いと思いますね。まったくランダムに変わっていくわけでもないので。
ヒロシ
2006/10/05 20:12
敬語・謙譲語・尊敬語は、日本人も使い分けが出来ないくらい難しいんですよね。
その3種類の違いを説明するのに苦労します。

日本人「どうぞ召し上がれ」
学習者「それは命令ですか?」

・・・この場合、命令ではないけれども、食べてもらいたいから命令でもいいかと思ってしまうこともあります・・・。
SARUHAHA
URL
2006/10/08 16:04
>Saruhahaさん
はじめまして。すごいサイトを運営されていますね。

3種類の使い分けが難しいのは種類が少なすぎたからではないかと思っていたのですが。。。

「召し上がれ」は確かに命令と同じフォームですね。ときどき形が凍ってしまったものがある例ですね。「おやすみなさい」とか「ごめんなさい」だって「なさい」という形は入っているけど、そんなことは言う時に思いませんよね。
ヒロシ
2006/10/09 04:44
むかしの記事にコメントを書き込むのもどうかと思いつつ、こんな新聞記事がありましたので、読んでいただきたく、投稿します。

『敬語表現』を書いた先生たちもわけりゃあいいって思っているわけじゃないようですよ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/word/CK2007050902014665.html
タカ
2008/05/04 04:14
>タカさん
お知らせいただき有難うございました。
たしかに分類方法よりも、相互尊重、自己表現の基本的な考え方を理解するほうが大切ですね。
ヒロシ
2008/05/30 19:07

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